膀胱炎

こんにちは。本日は膀胱の病気についてお話させて頂きます。

膀胱炎は犬の保険の申請数が多い病気となっているため、膀胱の病気にかかってしまう子は多いのが現状です。
 
【膀胱炎】
 
尿を生成し排泄する通り道は腎臓、尿管、膀胱、尿道があり尿路(おしっこの通り道)とよばれます。その尿路にその尿路に炎症が起こる病気を膀胱炎といい、細菌感染が原因で起こるものを細菌性膀胱炎といいます。
 
【症状】
 
主な症状は、
◎頻尿
◎残尿感
◎排尿時に痛みで声を上げる
◎陰部を舐める
◎血尿
などが特徴です。
 
【病気の原因】
 
膀胱炎は細菌感染が原因であることが多いです。その他にも結晶や結石によるもの、腫瘍によるもの、生殖器により発病することもあるといわれております。
 
短期で治療できる症状もあれば、再発性の高いものや難治性膀胱炎など抗生剤に耐性のある細菌が体内に残ることで治療が長期にかかるものもあります。
 
<再発性または難治性膀胱炎の原因>
・糖尿病、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
・免疫抑制剤の長期服用
・前立腺炎
・膀胱結石
など、再発や発病のリスクがあるため早い段階で発見し治療が重要となります。
 
<その他の可能性>
・腎盂腎炎
・腫瘍
なども発病する可能性があります。
 
【初期症状】
 
頻尿や残尿、排尿姿勢を取るけどおしっこが出ない、おしっこの回数が増える、血が混じるなどの症状が出た場合はすぐに獣医師の先生に見てもらって下さい。

【膀胱炎の子に必要なもの/水】
 
◎清潔な水
 
膀胱炎を予防又は悪化させない為に最も重要なことは、清潔な水を摂取することです。犬も人間と同様、約60〜70%が水分で出来ています。水分を取ることにより肝臓や膀胱に水分を送り続け結石を作らせないことができます。
フードも水分量の多いものを選ぶことで、結石などの生成を防ぎます。
 
◎水道水でOK
 
犬が飲む水は軟水である必要があり、ミネラルの豊富な硬水を飲ませると、カルシウムやマグネシウムなどの過剰摂取になり、尿路結石などになるリスクが高まります。水道水か軟水を与える必要があります。
 
日本の水道水は、ほとんどの地域は軟水ですので水道水を与えればOKです。(離島の一部は違うところがあるらしいのでご確認下さい。)
 
◎水を飲まない子に水を飲ませる方法

・フードに水を追加する
・肉の煮汁
・ヨーグルトのホエイ(ヨーグルトを水を切った後に出てくる汁)など少し匂いがあるものを混ぜると犬も興味を示して飲みやすくなるから良いと以前教えてもらったことがあります。
・水の容器、水の温度(ぬるま湯、氷入りなど)、頻回の水交換など、変えた直後だけのむ子とかがいるなど、いろいろ試してみることで飲む子もいるそうです。

【排尿を長時間我慢しない】

残尿、頻尿によりトイレに行く回数が増えます。また失禁なども起きてしまう可能性があるため、いつもよりトイレの数を増やしてトイレまでのアクセスを出来るため簡単にしてあげて下さい。

【治療方法】

軽度な膀胱炎であれば、抗生剤の投与で1~2週間程度で治ることが多いです。

再発や難度の場合でも尿検査で細菌培養検査および薬剤感受性試験など(原因菌の特定と、有効な抗生物質を調べる検査)を行ったうえで、適切な抗生物質が選択され投与が始まります。この場合は定期的な長期に及ぶ場合があります。糖尿病、クッシング症候群といった基礎疾患が存在する場合は、それらの治療を同時に行うことで症状の改善が望まれます。

また、細菌が原因じゃない膀胱炎などもあり、最近は安易な抗生剤の投与を否定する動きもあるようです。
 
【フード】
 
結石・結晶予防などの療養食があり、膀胱炎と診断された場合は、獣医師の先生からの指導をもとに愛犬に与えることをお勧めされます。フードには、尿PHの調整作用やマグネシウムなどのミネラルのバランスが特別に調整されているものがお勧めです。療養食と同時に水分を多く飲ませることで結線や結晶の形成を防ぐことができることから、水分量の多いフードもお勧めされています。
 
【ポチデリができること】
 
マグネシウムやミネラルの数値も膀胱炎の療養食に適しております。フレッシュな材料を使用しており、また水分も多く含まれているため、愛犬の病気の進行を食い止めるための一つの手段となります。病気の治療時に抗生剤によって副作用(下痢や嘔吐など)を起こす可能性があることから、水分摂取により体内の有害な毒素のろ過をスムーズに行うことが可能となります。
 
【発病しやすい犬種】
どの犬種もかかる可能性がありますが、
シュナウザー
ウェルシュコーギー
ダルメシアン
が遺伝的に結晶や石ができやすいと言われています。
また
飲水量が少ない
トイレを我慢する
運動量が少ない
などは、膀胱炎のリスクが高まるといわれています。

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。
リュー・オルソン(自然栄養学博士/ブリーダー)
リュー・オルソンは40年以上、多岐にわたる犬の健康に関わる仕事に従事。

犬の消化器官の研究でテキサス大学で博士号終了。犬のサプリ開発などに関わる傍ら、ロットワイヤーのトップブリーダーを30年以上続けており、アメリカンケネルクラブ審査員、テキサス コンローケネルクラブ会長などを務める。

犬の健康的な食生活ガイドのEマガジン/ECサイト「B-Natural」の運営に加え、Gazette(ニュージーランド)、the Mein Hund (スイス), the Rottweiler Quarterly(米国)といったブリーダー専門誌への寄稿も行う。

主な著書に「Raw and Natural Nutrition for Dogs, Revised: The Definitive Guide to Homemade Meals! 」などがある。

1992年には、自身の愛犬達には生肉を与えるフードに変更した。