犬の胃はそんなに弱くない!

こんにちは。犬の消化に最も適した食事を提供しているポチデリです。

本日は胃の仕組みについてお話させて頂きます。先日は犬の歯のお話をさせて頂いたので、本日は口から入った食物が到着する胃について、その殺菌力についてお話させて頂きます。少しマニアックですよね笑

なぜ犬の胃の殺菌力に注目したかというと、
犬友の飼い主さんから愛犬(4歳)の咳が止まらない
◎雨の日の泥水を飲んでしまったのが原因かも?
◎ケンネルコフになったかも?
という話がありました。
(あくまでもこの段階では飼い主さんの憶測です。)
という出来事があり、泥水かぁ~と思ったことが始まります。

【おさらい】

犬は食事を口の中に入れると、歯により飲み込める大きさに切り裂かれ飲み込まれます。ホームページで詳しく説明してます。

人間の消化は、口→食道→胃→小腸→大腸ですが、犬は、口と食道を飛ばし、胃→小腸→大腸→排泄と胃から消化が始まります。

【胃の塩酸】

胃の中に入ってきた食物は、犬の胃の中にある強力な塩酸により ウイルスや細菌などを殺菌し、増殖を抑えることができます。またその強い塩酸で、胃粘膜自体が傷つかないようにアルカリ性の粘液を分泌して粘膜を保護します。

犬は食物を口に入れた後、胃の中で最長8時間残りつづけます。その後小腸へと運ばれていきます。消化が悪いとされているドライフードは12時間程度も胃に残るのだそうです。

人間は胃の中に通常30~60程度残り(その間にウイルスや細菌を殺菌する働きを行います)、その後12~60時間かけ小腸の中でゆっくり運ばれていきます。犬の塩酸は人間の10倍あり、人間の約8倍以上の時間をかけて殺菌する能力を持つということで犬の体はウイルスや細菌を殺菌し増殖を抑えることができる高い能力を持っています。

上記の事を考えると、犬の胃はとても頑丈に作られております。なので、犬の胃の調子が悪くなった時は、犬の免疫が落ち、その他の機能も弱っているために起きていることも考えられます。

現在日本で暮らす犬の環境を見ると、汚れた水を飲むことや腐ったごはんを食べることなどは考えにくいのですが、もし泥れた水を飲んでしまったりや腐ったものを拾い食いしてしまったとしても犬の胃は犬の体を守ってくれるだけの強い機能が胃に備わってはおります。ですがその機能が弱っていたり、別の理由により愛犬の不調が起きていることがあるので、すぐに獣医師さんに見て頂くことで別の要因が見つかるかもしれません。

最後に、犬友さんの愛犬の症状はケンネルコフではありませんでした。
体調不良という診断で普段通りの生活で治りました!

Happy life with dogs!

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。