犬の歯は咀嚼するためではない!!

こんにちは。犬の消化に最も適した食事を提供するポチデリです。

今日は犬の「歯」についてお話します。

【犬の歯】

犬の歯は乳歯から永久歯に入れ替えると全部で42本になり、永久歯に入れ替わる時期は6~7か月頃であると言われています(個体差あり)。

◎切歯(incisor) 一番前にあり、獲物に噛みつき離さないような作りになっています。
◎犬歯(canines) 切歯の隣に位置し、食い付いた物を切り裂く役割があります。
◎臼井歯(premolars and molars)前臼歯と後臼歯に分けられ、前臼歯で食べ物を丸のみにできる大きさに切り、後臼歯はかみ砕いたり、つぶしたりする役割があります。

愛犬の歯を見て頂くとよくわかりますが、犬の歯は人間と異なり鋭いです。それは上から分かるように獲物を早く仕留め、早く切り裂き、丸のみに出来る大きさまでにかみ砕くことを目的としている歯の作りになっております。

人間の唾液は消化をサポートします。唾液に含まれている「アミラーゼ」という酵素によってデンプンの分解をサポートするなど、消化は口の中に入ると開始されますが、犬の唾液は胃に流し込むことが目的であり、犬の消化は胃から始まります。

このことからもわかるように、犬の歯は人間や小食動物のように咀嚼をするための機能はほとんどないそうです。そのため、「うちの子、早食い」って困っている飼い主のみなさん、犬は咀嚼し、食物を小さくして飲み込むという行動は犬の行動学には存在しないため、それが普通なのです。

ですが、丸のみした後吐く行動もみせます。うちの愛犬はよくおやつの硬いチーズを噛んで割り、その大きいものが翌日吐くというのはよくあります。犬の解剖学を読むと、大きいものを飲み込み、消化できないと胃が判断すると犬は吐き、その大きさを脳が読み、次回は少し小さめに噛むちぎることを学ぶそうです。うちの子はなんども吐くので…勉強していないようです笑

愛犬が早食いで困っているというお客様は、「そんなものなんだ」と思うか、最近よく見かける早食い防止のフードボウルにより少し遅めるか、それとも骨のような硬くて噛むのに時間がかかるようなものを与えてみることが良いかもしれません。

うちもごはんタイムは一瞬で終わります。犬の歯をみると、咀嚼をしないので犬の食事としては普通なのだと思えるようになりました。犬の歯をしり、犬を理解し、楽しく共存する!なんていい知識でしょう!

Happy life with dogs!

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。