膝蓋骨脱臼 / パテラ

こんにちは。ポチデリです。

本日は小型犬に発症しやすいとされる膝蓋骨脱臼についてお話させて頂きます。
膝蓋骨とは、膝の皿(ひざのさら)パテラと呼ばれる部分を差し、膝蓋骨が外れて(脱臼)しまうことをいいます。

【症状】

膝蓋骨脱臼とは、膝蓋骨が横方向にずれ外れてしまう(関節自体は捻じれる)症状のことをいい、小型犬に発症しやすい傾向があります。

【原因】
先天性と外傷性があり、先天性は膝の関節を覆う筋肉や骨などが特異な形で生まれきた子がで脱臼することをいいます。

外傷性は高い場所から飛び降りたり、事故により膝蓋骨を強く打つなどの怪我や、滑りやすい床の上で生活したことにより膝蓋骨が外れてしまうような生活環境などからくることにより発生することもあります。

発生しやすいのは
◎活発な子
◎小型犬 
◎ミニチュアダックスフンド
◎イタリアングレーハウンド
◎ボストンテリア
◎ポメラニアン
◎トイプードル
◎チワワ
◎マルチーズ
大型犬では
◎秋田犬
◎グレートピレニーズ
などが多いとされています。
またメスの方が発症しやすく、オスの約1.5倍と言われております。

【症状】
◎歩き方がおかしい (スキップするような動きをする)
◎痛み 炎症が起こる 関節炎を起こす
◎触られると嫌がる 声を出す
悪化すると
◎骨が変形する

【治療方法】

膝蓋骨脱臼の治療は、内科的治療と外科的治療があります。

内科的治療は鎮痛剤などで痛みを抑えながら、安静にする必要があります。運動を制限し又は体重減量などにより膝にかかる負担や痛みを減らす治療を受けます。水中トレーニングなど膝に負担を掛けず治療的運動を行う取り組みもあります。

外科的治療手術を行う必要がある重い症状の子は、再度脱臼させないようする整形外科手術などにより症状をなくします。膝蓋骨脱臼には膝蓋骨の外れやすさの指標があり、わんちゃんの症状によって獣医師の先生は手術の判断を行います。

膝蓋骨の外れやすさの指標として、触診検査によるグレード分類(Singeltonの変法)
グレード1:膝蓋骨は触診で簡単に外せるが、手を離すと正しい位置に戻る。
グレード2:膝を曲げ伸ばしするだけで、簡単に膝蓋骨が外れる。
グレード3:膝蓋骨は常に外れたままだが、手で押すと元に位置に戻せる。
グレード4:膝蓋骨は常に外れたままだが、手で押しても元に位置に戻らない。

グレード3以上になると手術を検討し始めるケースが多いそうです。

【予防法】

先天性の場合は生まれ持ったものであるため完全に予防することは難しいかもしれません。また飼い主がどんだけ気を付けていても怪我をしてしまうこともあるかと思います。
ただ犬を散歩に連れていったり遊ばせている際に、歩き方に違和感があるなど見つけることが出来るかと思います。気を付けて見てあげ、早期に発見することが重要ですね!
また、悪化を防ぐために、滑らない床にする、爪切りや足裏の毛のケアなどを行うのも大切です。

また膝関節周りの筋肉をつけることも、食を通して飼い主が愛犬にしてあげることでもあります。
高たんぱく質なフードは筋肉増加を促進し、関節を守ります。またオメガ6・オメガ3脂肪酸は関節など体の組織や機能向上を助け、心臓病の予防、がんや関節症の療養や免疫力の向上を助けるなども行ってあげられる予防法です。

Happy life with dogs!

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。