犬の歯の病気

こんにちは。ポチデリです。

突然ですが、歯磨きしてますか?

今日は歯の病気についてお話させて頂きます。

歯周病というのは、大きく「歯肉炎」と「歯周炎」という2つの病気に分けられます。

歯肉炎とは、歯と歯茎に歯垢(しこう・プラーク)が付着し、歯茎の肉(歯肉)に炎症がおきている状態をいいます。

歯周炎とは、歯肉炎の症状が悪化し、歯が抜けるなど歯を支える歯周組織の炎症が進んでいる状態をいいます。

【原因と症状】

これらの病気は、歯に歯垢が蓄積することにより、歯茎に炎症がおこることにより発症します。犬種特異的な顎の構造、年齢、生活習慣によっても発病の原因の可能性もあると言われています。

症状は、
◎歯茎の色がコーラルピンクから赤又は紫に変色
◎歯茎の端が腫れ、触ると血が出る
◎歯と歯茎の間の溝が深くなり、ここに細菌が入り、炎症を起こして、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けて歯がグラグラになって抜けたりします。
歯垢が石灰化することにより歯石と呼ばれる物質に変化した場合、
◎口臭の原因となる
◎よだれの量も増える
などの症状も見られます。
歯石がほとんどなくでも歯肉炎の原因菌による口臭もあるそうです。

【予防】

予防方法は人間と変わらず、「日々のクリーニング」です。歯垢の付着を取り除くことです。食事も歯垢が残りにくいと言われている固めのフードを食し、定期の健康チェックによっても予防をすることができるといわれています。

歯垢は3日で歯石になるため、歯ブラシやガーゼなどで2~3日に1回歯磨きを行うことが望ましいと言われています。奥までしっかり磨くようにしてください。

【治療】

通常歯肉炎の治療は、歯垢や歯石を取る治療を行います。治療は麻酔をかけた状態で行われ、歯垢や歯石を取り除きます。それでも症状が改善されない場合は、免疫機能異常を起こしているか糖尿病の可能性があると考えられます。歯周炎の悪化が進んでいる場合は酷い歯茎を切除したり、抜歯などの治療が行われることもあるそうです。

【その他】

歯周病は中・大型犬よりも小型犬が発病しやすいと言われています。

歯ごたえのあるフードを食している犬の方が歯垢が口内に残りにくいと言われており、発病しにくいと言われている。奥歯の方が前歯より、上の歯の方が下の歯、歯の表面の方が裏の歯が発症しやすいと言われています。

フード以外には、おもちゃをよく噛んで遊んでいる子は歯石がつきにくい傾向があります。

また2歳を過ぎたどの犬も発病する可能性がありますが、以下の犬種がとくに発病しやすいと言われています。
パグ
イングリッシュブルドッグ
ボストンテリア
シーズー
ブリュッセルグリフォン
コリー 
ヨークシャテリア
トイプードル
マルチーズ
ポメラニアン
チワワ
キングチャールズスパニエル キャバリア
ダックスフンド
ボクサー
グレートデン
マスティフ

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。