食糞について

こんにちは。ポチデリです。

今日は食糞についてお話させて下さい。

食糞は飼い主にとって「気持ち悪い」と思うと同時に「恥ずかしい」気持ちでいっぱいになりますよね。私の子も食糞を子犬の頃していましたし、稀に3歳になった今でも興味を示すことはあります。

今日は食糞についてオルソン先生から学んだことをお伝えしたいと思います。

【食糞の原因】

犬の消化器官を研究したオルソン博士は、犬の食糞は犬の炭水化物の必要以上の摂取によるものとしています。犬が、穀物を摂取し消化器官に入ると、犬の腸の中にいる重要な菌がビタミンBやKなどと一緒にうんちと一緒に排出してしまいます。

犬が自分の又は他の犬のウンチを食べてしまうのは、腸の中にいた良い菌や酵素を取り戻そうとして行う行為だと言われています。炭水化物は消化がしづらいため、うんちと一緒に出るときはしっかり消化されずに出てくるため、炭水化物の匂いなどが犬にとって食欲をそそることが食糞の原因になっているとのことです。

【犬は炭水化物で消化不良を起こす】

犬にとって穀物、でんぷん含量の多い野菜(さつまいも、トウモロコシなど)お米などの炭水化物は犬にとって消化しずらいものであり、犬の消化器不良を起こす原因となっております。

犬の消化の仕組みはホームページで記載しておりますのでご確認頂けます。

【炭水化物を控えるべき理由】

①犬の腸は短く、長期間時間を掛けて消化をする草には適さない

犬の腸を人間や草食動物と比べてみると、草食動物などはもっと長く、牛:50m、人間:7m、犬などの食目類:3.5mと、食目類の短さが際立っています。腸の長さは、草など消化しづらい食べ物を時間かけて消化することや栄養吸収する仕組みになっています。犬の腸の短さは、草や食物繊維を消化することに不適であり、消化しやすい肉を食することが身体の構造に適しています。

②炭水化物の消化能力が低い

穀物を控えるべき理由の2つ目は、犬は炭水化物の消化能力が極めて低いのです。でんぷんを分解するのに必要なアミラーゼという酵素の活性が低いため、消化不良を起こしてしまい、肝臓に負担がかかるばかりでなく、未消化の炭水化物により大腸にガスが溜まり、ウンチが臭く、大きくなるといったことがおきます。このことにいち早く気が付いたオルソン先生は、1990年代から、犬の消化器を研究し、犬の体の構造にあった「生肉中心」のフードに移行したのです。

【他のページでは炭水化物が5大栄養素と書かれているのはなぜ?】

炭水化物はエネルギーを作る重要な栄養素という観点です。それは人間にとって間違いではありません。ですが、犬にとって一番のエネルギーは脂肪です。犬にとって脂肪はたんぱく質や炭水化物の2倍のエネルギーを作り出す一番の栄養素であり、脂肪は、健康的な皮膚や被毛(毛並みの良さ)を保ち、臓器などの生命活動を支える重要な栄養素です。

それは、生肉や生食に多く含まれて(良質な肉に限る)そして、消化にも適しています。

炭水化物を摂取した場合、犬の体内でもエネルギーは作られますが、脂肪よりもエネルギーを作れずにいるだけでなく、消化にも悪い。炭水化物を選ぶ必要がありません。犬の食事には脂肪を選ぶ方が明らかに適しています。

【食物繊維】

食物繊維を含む野菜(炭水化物)は犬の腸内環境を助けてくれる働きをするためある程度は必要です。

栄養素のページには、栄養素(動物性たんぱく質、脂肪、ミネラル、ビタミン)の他に2つの必要栄養素を追加しております。それは、食物繊維水分です。)

食物繊維は、便通を整えてくれる上、脂質・当・ナトリウムなど吸着して、身体の外に排出する動きがあるため肥満など、これらの取り過ぎによって引き起こされる病気の予防や改善が望めます。

食物繊維を含む野菜は、生肉食の場合、全体の1/6以下であることが推奨されています。

ですが、オルソン先生は必要以上の食物繊維も消化不良を起こす原因となると警鐘を鳴らしています。

【食糞の改善】

犬の腸内の消化不良が起きているため、酵素、善良の菌、ビタミンB群を腸内に取り入れるために無意識で取ろうとして食糞しているのであれば、腸内環境を整えることが食糞を止める重要な最初のステップとなります。

消化によい食事を選んで、犬の行動を観察してみると見えてくるものがあるかもしれません!

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。
リュー・オルソン(自然栄養学博士/ブリーダー)
リュー・オルソンは40年以上、多岐にわたる犬の健康に関わる仕事に従事。

犬の消化器官の研究でテキサス大学で博士号終了。犬のサプリ開発などに関わる傍ら、ロットワイヤーのトップブリーダーを30年以上続けており、アメリカンケネルクラブ審査員、テキサス コンローケネルクラブ会長などを務める。

犬の健康的な食生活ガイドのEマガジン/ECサイト「B-Natural」の運営に加え、Gazette(ニュージーランド)、the Mein Hund (スイス), the Rottweiler Quarterly(米国)といったブリーダー専門誌への寄稿も行う。

主な著書に「Raw and Natural Nutrition for Dogs, Revised: The Definitive Guide to Homemade Meals! 」などがある。

1992年には、自身の愛犬達には生肉を与えるフードに変更した。