犬の消化器系疾患

こんにちは!犬の体の構造に最も適したフードを提供するポチデリです。

今回は犬の消化器系疾患についていてお話させて下さい。

犬の日々の体調はうんちやおしっこなど排泄物で判断できるといっても過言ではないかもしれません。体調の不調や精神的なストレスなども、言葉で表せない愛犬の代わりに、おしっこやうんちが伝えてくれていると思って注意して見てください。調子がいい時のうんちやおしっこの回数、色、匂いなどを観察の指標として注意してみてあげると、愛犬の体調の変化に気づきやすいと思います。

下痢、嘔吐、胃腸炎、大腸炎、小腸炎

下痢や嘔吐の症状は、比較的頻繁に起こります。偏食、ストレス、アレルギーなど理由は様々です。

胃腸炎とは、胃の中に過剰な負担がかかることにより起こり、下痢や嘔吐などが症状としてでます。
簡単な目安として、嘔吐は小腸に痛みや炎症などの不調が起きていると思われ、下痢は大腸の不調により症状が現れやすいといわれています。下痢と嘔吐が現れているときは、小腸及び大腸ともに何らかの問題が起きている可能性があります。

短期的に終わるこれらの症状(急性胃腸炎)は、ストレスなどの精神的なもの、または拾い食いや過食などによる原因から来る胃腸炎の可能性があり、安静にしていれば症状が改善されることが多いです。一週間以上など長期に改善が見られない場合は、消化器系の病気や、高齢による免疫力の低下、がん、アレルギー性の病気などの初期の症状の可能性があるので、獣医師への相談をお勧めします。

犬の現代病 ー ストレスによる嘔吐や下痢

複数の獣医師さんが、コロナ期に愛犬を迎えた飼い主さんからの嘔吐や下痢等を含めた飼育相談がコロナ後に増えていると感じているようです。コロナにより行動制限がおこなわれ家にいなければならない期間に在宅などで傍にいた飼い主が、仕事場に戻るなどにより愛犬が独りぼっちの時間が増えたることによるストレスが主な原因で愛犬が嘔吐や下痢を起こしているそうです。

アメリカや欧州でも同じように、Separation anxiety(分離不安症)といわれ犬の不安症状が話題となっております。まさしく犬のストレスは現代病と言えます。分離不安症により、嘔吐や下痢、外出する際の無駄吠えが増えたり、自傷行為行為などに発展しないために、
1.適度な運動を行い、程よい疲労を作る
2.健康的なフードを与え、体調の健康を作る
3.一人になっても退屈しないおもちゃなどを与えるなど
の改善方法がありますが、こういった行動が続けばドッグトレーナーさんにご相談いただくのが良いかと思います。飼い主が留守の時に犬が安心できる方法を教えてくれます。

肝機能の低下、肝臓病、肝臓

肝臓には沢山の機能があります。肝臓は、代謝、合成、貯蔵、解毒です。たんぱく質、炭水化物、脂肪などの代謝を行い、必要な物質を合成します。またエネルギーを貯蔵しますし、ビタミンやミネラルを貯蔵し、体内の毒物を解毒して無害化します。さらに、胆汁酸を作り、分泌することで消化を助けます。肝機能の低下がおきると体の栄養素を吸収又は、毒素を排出することがうまくできなくなります。その多機能であるがゆえ、肝臓の健康は犬の人生の質を左右するといっても過言ではありません。

肝臓は予備能力が高い器官であり、症状が現れるのはかなり進行した状態になってからであるため、「沈黙の臓器」と呼ばれることがあります。そのため早期の発見が難しい病気ではあります。発見が難しく、肝臓病と診断されたときは、病気がかなり進んでいる可能性があります。ですが、肝臓は再生が可能な臓器なので、肝臓にかかる負担を少なくし、適切な治療や食餌を行えれば、肝機能を健康な状態に戻すことが期待できることがあります。

肝臓病とたんぱく質

肝臓病になると、吸収した栄養素がうまく利用できなくなるため、痩せてしまいます。これを避けるため、上質なたんぱく質が必要となりますが、重度の肝臓病では、たんぱく質を代謝したときにできるアンモニアが解毒できなくなり、高アンモニア血症のリスクが高まります。これを避けるためにたんぱく質の量を制限しますが、この重度になる前や特定の肝臓病以外には上質なたんぱく質は肝機能の回復又は再生には、必須栄養素です。まず、獣医師と話し合い、数値を見ながら肝臓の回復再生のためのフードを決めて頂くことが必要です。

腎臓病

腎臓は、身体の老廃物を体外に送り出す機能を持ちます。老廃物がうまく排泄できないとは毒が体内にとどまっているため、様々な悪影響を及ぼします。その他も腎臓は、体内環境のバランスを整えたり、血圧を調整したり、血を作るホルモンの分泌、骨を強くする働きなどがあります。簡単にいうと体内に居続けてはいけないものを体の中に溜め込んでしまいます。

腎臓病の症状としては、嘔吐、下痢、無気力、尿が薄い、口臭など、体重が急激に減ったり、水を飲む量が増えるなどが見られ、ご自宅でも気が付きやすい症状が見られます。

腎臓も早期発見は難しく、腎臓機能が50%以上失われて初めて、目に見える症状が出てくるといわれています。腎臓は一度ダメージを受けると以前の状態に戻ることはありません。早期に発見すれば残りの腎機能により、血液検査上の数値や見た目上正常に戻ることは可能なため、何より定期健診により早期発見が必要なのです。

初期の腎臓病の子に与えるべき栄養素 
☑ 高たんぱく質
☑ 高脂肪
☑ 食物繊維
☑ ビタミン
上質な動物性たんぱく質を摂取することで、筋肉の減少や貧血を予防し、脂肪を摂取することでエネルギーを作り出します。脂肪を摂取しなければ、体に貯蔵されていた脂肪や筋肉や血液をエネルギーとして使用してしまい、結果体重減少が進み、病気に立ち向かう気力・体力までも奪ってしまいます。脂肪でもオメガ3脂肪酸は炎症や障害を抑え、腎臓病の進行を緩和することができるため、摂取しなければなりません。

腎臓病のステージが重くなるにつれ、
☑ たんぱく質
☑ リン
☑ ナトリウム
☑ カリウム
などの制限が出てきますが、血液中尿素窒素(BUN)の数値を行う必要があります。しかし、制限がかかる前までは、上記に書かれている上質な高タンパク質や高脂肪、食物繊維、ビタミンをバランスよく取る必要があります。

ポチデリフードは、上質な高タンパク質で消化吸収効率が良いこと、生食であるため栄養素を壊さずに食することができることで、腎臓機能の低下に立ち向かうことができます。また、良質なたんぱく質を摂取することにより腸内細菌の乱れを防いだり腸内細菌叢からの尿素の産生を減少する効果があります。
また、腎臓病のわんちゃんは新鮮なをしっかり取る必要があります。腎臓病のわんちゃんは、自宅で皮下点滴を行いますが、獣医師の先生の指導は、皮下点滴よりも口から摂取する水分の方がはるかに大切(静脈点滴>飲水>皮下点滴の順序で治療効果が高いといわれています)ため、飼い主さんは日々のフードから水分の高いフードを与えてあげて下さい。

【腎臓病を発生させやすい犬種】
どの犬種もかかる可能性はありますが、
7歳以上のわんちゃんが患いやすく
イングリッシュコッカースパニエルズ
ブルテリア
ジャーマンシェバード
などが、発症しやすいと言われています。

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。