犬のアレルギー

こんにちは。犬の消化に最も適したフードを提供しているポチデリです。

今日はアレルギーについてお話させて頂きます。

ポチデリ定期便にお申し込み頂く際にいくつかの質問をさせて頂きます。
◎愛犬の基本的情報(犬種、体重、誕生日など)
◎愛犬の追加情報(ご飯の回数、体型、運動量、アレルギー、お悩みなど)
を聞かせて頂きますが、アレルギーを持っている子は本当に多いと感じます。

犬の体内機能に外から入ってきた異物を排除しようとする「免疫」というのが備わっており、細菌やウィルスから体を守ってくれる大切な仕組みがあります。免疫を高めることは病気にかかる予防となります。

ところがこの免疫が過剰に反応してしまうことを「アレルギー」と呼びます。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」又は「抗原」といい、このアレルゲンが体内に入り、これをやっつけようとIgE抗体というたんぱく質が作られます。このIgE抗体は皮膚や粘膜の表面(肥満細胞の表面、肥満細胞は皮膚や粘膜の中にあります)にあり、アレルゲンが体内に入ってきた時にヒスタミンなどの科学物質などが排出され、かゆみなどの症状が現れます。

環境(花粉、ダニ、ハウスダスト等)や食物(フード、薬物等)などが主なアレルギーの原因となります。

【アレルギー】

◎環境が引き起こすアレルギー
花粉、ダニ、ハウスダスト等に引き起こされるアレルギーで、かゆみ、皮膚の赤み、炎症等などが皮膚に現れます。皮膚以外には、鼻炎や咳、結膜炎など症状などが現れます。

◎食物アレルギー
口から摂取する食物や薬物等により引き起こされるアレルギーで、皮膚症状ではかゆみの症状が多く、特に耳や足に症状が多くみられます。消化器や胃腸器に不調が現れることが多く、下痢や嘔吐などの症状がみられます。

◎食物不耐性 Food sensitivity
日本語では「食物不耐性」、英語でフードセンシティビティー(Food Sensitivity)と呼ばれる、IgEなどの免疫反応以外で起こる病気があります。アレルギーの前段階とは別と考えています。食物不耐性は消化機能の疾患があります。(食物アレルギーは免疫疾患)

以前に、「愛犬に牛乳を与えても大丈夫?」という投稿で、成犬がラクターゼと呼ばれる乳糖を飲むと下痢や軟便などの症状が起きることを「乳糖不耐症」としてご紹介しました。これも食物不耐性で犬の体内の消化器官の不調を表します。

【アレルギーや食物不耐性によりみられるその他の症状】
◎じんましん
◎顔、耳、瞼が腫れる
◎皮膚の赤み、皮膚の炎症
◎下痢
◎嘔吐
◎くしゃみ
◎鼻水
◎継続的に体を舐める

【2次的症状】

◎かゆみが引き起こす2次的症状
アレルギーによるかゆみによって犬が体を掻く、噛む、舐める行動によりばい菌などが入り皮膚の症状を悪化することがある2次的症状がありますので、早めのアレルギー対応が必要となります。

【環境アレルギーと診断された場合】

1.部屋や環境をきれいに整え、肌を綺麗な状態に保ってあげる。
外部からの刺激を出来るだけ少なくして、肌を出来るだけ綺麗な状態に保ってあげて下さい。皮膚病薬用シャンプーを使用して洗うなど、皮膚の違和感をこまめに取り除いてあげて下さい。

2.消化に良いフードで腸内を健康にし、免疫力を上げる。
腸内環境を整えることで、体の中から免疫力と回復力を向上することができます。

【食物アレルギーや食物不耐症と診断された場合】

1.アレルギーと診断された食材や物質を除かれたフードを与える
診断された食材を除いたフードを与えます。アレルギーは1つ食材や物質に反応するということは少なく、多くの場合複数の過剰反応がみられることが多いといわれています。

2.消化に良いフードで腸内を健康にし、免疫力を上げる。
腸内環境を整えることで、体の中から免疫力と回復力を向上することができます。

【免疫力を高める】

◎たんぱく質摂取は免疫力を高める
犬は22種類のアミノ酸を必要を必要としており、そのうちの12種類は犬の体内で作ることができますが、他10種類は栄養を食物から摂取する必要があります。たんぱく質は脂肪(脂質)や他の栄養素と異なり、体内に貯蔵することができないため、日々の食事から栄養を摂取しなければいけません。過剰に摂取したたんぱく質は、尿として流れます。

◎免疫力を高めるためのたんぱく質の量
たんぱく質の量は年齢や、運動量、犬種等(特に大型犬はたんぱく質の小・中型犬に比べて、成長の経過によって異なります)によって変わってきます。特に、病気や怪我、妊娠中や母乳をあげているママ犬のたんぱく質の量を増やし、免疫力を高める必要があると言われています。

全米飼料検査官協会(AAFCO)は、パピー期は1キロ当たりたんぱく質は22%、成犬期は18%以上であることを推奨しております。オルソン先生はシニア期もパピーと同じ量のたんぱく質が必要と考えています。
上でお話した、病気や怪我、妊娠中や母乳をあげているママ犬はさらに、たんぱく質の量を増やし抗体を作る必要があります。

◎その他、犬の免疫力を高める方法

①水分を取る 
水分摂取が不足すると血液中の水分も不足し血流が悪くなります。水分を摂取し、血流が改善すると白血球などの免疫効果が全身に行き渡るようになります。また、血流が良くなり新陳代謝が活発になることで免疫細胞の働きが活発になると思われます。
愛犬がいつも新鮮な水分を取れるようにしておくことが必要ですが、あまり水を自ら摂取しないという子は、水分を含んだフードを与えてあげることによって水分を取ることができます。

②腸内を健康に保つ
犬にとっての腸活は、腸に負担を掛けない食事のことを指します。そして犬にとって腸に負担を掛けない食事とは動物性たんぱく質をいいます。腸に負担を掛けずに、消化に良いものは生肉を与えて腸内を環境に保つことは、さらなる免疫力を高めることとなります。

③適度な運動
散歩が大好きな子は適度な運動が出来ている子が多いと思いますが、散歩が苦手な子やシニアになって運動をするのが難しくなった子には、家で出来る遊びをして運動をさせてあげて下さい。私の先代の子は、追いかけっこが大好きでした。よろよろになっても、追いかけっこの真似事をすると、ニコニコわらってました。

④生活環境を整えてあげる
ストレスが多い飼い主さんや犬が住みにくい環境は犬の免疫力を下げてしまいます。犬が穏やかに過ごせる環境は犬の健康には重要な要素です。

【アレルギーはやっつけられる】

私の先代の愛犬達の中には、アトピーと診断された子もいましたし、アレルギーと診断された子もいました。

アトピーと診断されたときチップス(ジャックラッセル・メス)はまだ1歳と若く、毎日飲ませて下さいと処方された薬をみて、愛犬はこれから薬飲み続けなきゃいけないか…可哀そうに思えたのと、毎月1万円以上かかる薬代に気持ちが暗くなったのを覚えています。

でもその後、食事の改善や環境の改善など工夫し掻く行動が減ったので薬を止めてしまいましたが、アトピーとその後に診断されなくなったという経験があります。アレルギーに対してもいろんな向き合い方もあるように思えます。やはり食事面からアレルギー対策を行って頂くのは、一つのやり方かなと思います。

Happy life with dogs!

監修

堀本 ひかり(獣医師)
出身学校 帯広畜産大学
所属学会・資格 日本獣医エキゾチック学会

CTを備える医療センターから、獣医師一人で診察する小さな分院、夜間救急病院などの勤務。